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音速について

身近な自然と科学 Vol.40【音速】から

今回は、“音”が空気中を伝わる仕組みです。
音の発生源は振動なので、「振動面に触れている空気を振動させ、その振動が次々に伝わる」
と言ったのでは雑学にもならないのでもう少し科学的に説明したいと思います。

太鼓を叩いたとします。
すると、太鼓の皮の部分は弾性があるので、張ってある面と垂直方向に振動し、皮のごく近くの空気は皮によって押されます。

  1. 押されると圧縮されて圧力が高くなります(注1)
  2. 圧力が高くなった空気は膨張に転じます
  3. 動いている物は抵抗が無いと止まらないので(慣性の法則)
  4. 膨張し過ぎて今度は圧力が低 くなります(注2)
  5. 圧力が低くなると収縮に転じます
  6. 収縮も慣性で止まらずに行き過ぎて圧縮に転じ(2)へ

この繰り返しで、音は空気の疎密波として伝わっていきます。
音は、空気に対して圧縮収縮という仕事をして熱としてエネルギーを失うために遠くに伝わらないのです。

空気などの流体中の音速は、気体の膨張度、圧縮度、粒子速度と変位などから微分方程式(波動方程式)を作り
K:気体の体積弾性率
ρ:気体の密度
とすれば、
√(K/ρ)・・・・式1
という結果を得ます。

さて、気体で思い出すのは、「 ボイル・シャルルの法則 」です。
『気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例する』
というもので、 P:圧力 V:体積 R:気体定数 T:絶対温度で表した温度
とすると、 PV=RT ・・・・式2
で表されます。

式1と式2から気体中の音速を求める式が導かれます。
γ:比熱比=定圧比熱 / 定積比熱
K:ボルツマン定数
m:分子の質量
として、 V= √(γkT/ m) ・・・・ 式3

これらの音速を求める式は、気体の粘性は考慮に入れていませんし、理想上の気体などで実験値とは多少違います。

音速を求める式は、あの、ニュートンも導いたのですが、フランスの数学天文学者のラプラスが手直しました。
ニュートンの失敗 は、気体の温度を一定として考えたところで、実際は圧縮収縮が速く起こるために、熱がその部分に篭もってしまい、温度が一定にならなかったのです。
そこで、ラプラスは比熱比(γ)を導入しました。
余談ですが、ラプラスはメートル法制定にも関わっています。

式1、式2の両式を見れば判る通り、軽い気体ほど、その中を通る音波は速くなります。

例えば、零度の時
空気中での速さは、331.5メートル。
酸素ガス中での速さは、317.2メートル。
窒素ガス中での速さは、337.0メートル。
ヘリウムガス中での速さは、970メートルです。

かなり前の事ですが、ヘリウムガスを吸い込んでから喋り、甲高いキョロキョロ声にする遊びが流行った事がありました。
この遊びをご存知無い方は、深海潜水艇で撮った記録ビデオをテレビでご覧になったことはありませんか。
潜水艇内で喋っている人の声が甲高く不自然に聞こえることがあります。
深く潜っているダイバーの声も不自然に聞こえます。
潜水艇内、ダイバーの声の変化とも空気にヘリウムガスが混合されているためです。

注1:圧縮
圧縮というのは気体の体積を縮めることです。
例えば、電車1両に200人の乗客が居たとします。
ここで、車両の広さを半分にしてみると、乗客同士の空間が狭くなって、乗客の同士が触れ合って喧嘩が起きて熱くなるかも知れません。
気体の圧縮の場合は、分子同士がぶつかり合う訳です。
ぶつかり合うと熱が出ます。

注2:
圧力は、分子がぶつかる事で起きる力なので、膨張して表面積が大きくなってもぶつかる分子の数が同じなら単位面積あたりのぶつかる分子の数は少なくなり圧力は低くなります。圧力が低くなれば、周りから押されます。




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