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ガスで冷房する仕組み

身近な自然と科学【ガス冷房機の仕組み】Vol.167から

電力会社とガス供給会社がエネルギーの主導権争いをしています。
個人的には電気の方が保守が簡単で便利のような気がしますが、ガス会社は
ガスを使った家庭用燃料電池で対抗しているようです。

それはともかく、不思議なのはガス冷房機です。
直ぐに思いつくのは、ガスをガソリン代わりに使ったエンジン(内燃機関)を、通常のエアコンのモーターと置き換える方法です。
今話題の電気自動車を、ガス会社がよく使っている「ガス自動車」に変えるようなものでおもしろくないですね。

他の方法は? と考えると、やはり、冷やすには気化熱を使う他ないようです。
ガスの使い方はというと、やはり燃やします。

先ず、水を入れて密閉した容器を用意します。
この容器の中の気圧は、空気中に含まれている窒素や酸素などの気体の圧力と容器の中に入っている水から蒸発した水蒸気の圧力の和になっています。

それぞれの気体が持っている圧力を「分圧」と言います。
水蒸気の分圧は「水蒸気圧」と言って、湿度の測定などで使います。

次に、この容器の中の空気を抜きます。
空気を抜くということは、窒素や酸素の圧力が減るということで、その分、容器の中に入っていた水が蒸発しやすくなります。
対抗していたものが居なくなれば、のさばり出す者が現れるのと同じです。
それはともかく、容器の中を100分の1気圧ほどにすると、水温が摂氏5度でも水が盛んに気化し始めます。
5度の水がお湯が沸くように沸騰状態になります。

水が水蒸気に変わっているので周囲から気化熱を奪いますから、この容器の周りに効率よく部屋の暖かい空気を循環させれば部屋が冷えます。

次は、容器中の水蒸気を回収します。
回収しないと容器内の圧力が高くなって気化が止まってしまいますから。
回収には水蒸気を吸収し、水に溶ける物質(臭化カリウムなど)を使います。
臭化カリウムが水蒸気を吸収すると、(水+臭化カリウム)の体積が増えますし、臭化カリウムの水蒸気を吸収する能力が無くなるので、水と臭化カリウムを分離する必要があります。

ここで、ガスの出番です。
水と臭化カリウムの混じった溶液をガスの火力で沸騰させます。
すると、水蒸気が出ます。この水蒸気は冷却して水に戻して再利用します。
臭化カリも再利用します。

以上が、ガス冷房の仕組みですが、連続運転するには圧力と水の制御が大変そうです。


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