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自由研究  ⇒ 物理

放電2

身近な自然と科学 Vol.117から

空気中に2つの電極を対向させて設置し、一方の電極に正(プラス)、もう一方の電極に負(マイナス)の電圧をかけた場合の現象を考えてみましょう。
2つの電極間の距離に比較して電圧が低い場合は何も起きませんが、徐々に電圧を上げて行くと、見た目には何も起きていないのに僅かに電流が流れ始めます。
これは、自然界の放射線などによって空気中の分子が電離されて出来た正イオンがマイナス電極に、負イオンがプラス電極に移動したためです。
前述した毛先の静電気が近傍の分子を電離出来ない状態と同じです。
この時に流れる電流を“
暗電流”と呼びます。

更に電圧を上げて行くと、強い電界により、近傍空間にある分子が電離されて正と負のイオンが作られ発光します。
これを“
グロー放電”といいます。
グロー放電が起きると電界が弱くなるので電極近傍だけが発光します。
この状態を“
コロナ放電”といいます。

更に電圧を上げて行くと、コロナ放電の為に電極が熱くなり、マイナス極から電子が出るようになり、その電子が電極間の電位差(電圧)により加速されて空間中にある分子に衝突しながらプラス極に飛んで行きます。
電子に衝突された分子は電離し、電子を生じます。
即ち、陰極から出た1個の電子がその何倍もの数の電子を作る訳です。
電子の数が爆発的に増えるので、この現象を“
電子なだれ”といいます。
結果、電極間を流れる電流も爆発的に増加します。
こうなると奇妙な現象が起きます。
過程A:
電子が増えたのですから、これらの電子と対になっていた正の電荷(電気)が電極間の空間に溜まることになります。

過程B:
やがて、プラス電極より空間に溜まったプラス電気の方が強くなります。
こうなると、電子はプラス極に行かずに空間のプラス電気に引かれるようになります。
電子が電極間のプラス電気と結合すると電極間のプラス電気が減少するため、再び電子はプラス電極に飛んで行き、過程Aの状態に戻ります。

コロナ放電が過程A、Bを繰り返すようになると音を立てるようになり、ついには火花放電に移ります。
ところで、過程Aのときは電極間を流れる電流は多く、過程Bのときは電子が電極間で中和されてしまうので流れる電流は少なくなりを繰り返し、電流の大きさは周期的に変化するようになります。
電極間に直流電圧をかけても放電現象が周期的に変化する電流を作り出すことから、ここでまた少し話題を転じます。
放電現象には“
アーク放電”というものがあります。
鉄工所や建築現場などで眩い光を放っているアーク溶接でお馴染みのものです。
これは電極を加熱して電極を作っている物質を溶かして蒸気にし、その蒸気を介して起こす放電です。
他の放電と異なり、電流はアンペアー単位の大きさを必要としますが、電圧は10ボルト程度で放電が起こります。
アーク放電の用途は、今では溶接しか無いと思うのですが、放つ光が強いために照明に使われたことがありました。

おもしろい使い方に、無線送信機がありました。
無線通信は1895年マルコーニの火花送信機により実用化されたのですが、火花放電では無線電話に適した電波を出せませんでした。
そこで、真空管が発明されるまで(短い期間ですが)交流発電機や
アーク放電によって、電波を放出する振動電流を作っていました。


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