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蜃気楼が見える理由

蜃気楼(しんきろう)というと、ラクダに乗って砂漠を旅する人々が思い浮かびます。
突然、彼らの前に泉が湧き出るオアシスが浮かぶのです。
そして、そのオアシスを目指して急ぐと、オアシスは消えてしまい、喉の渇きだけが残るのです。
蜃気楼には地面に見える下方蜃気楼と、水平線や地平線上に浮かんで見える上方蜃気楼がありますが、どちらも見える理由は同じです。

蜃気楼は光の全反射によって起こります。
全反射とは屈折率の大きい媒質から小さい媒質に光が入ったときに、その入射角が臨界角より大きくなったときに鏡のように光を反射させる現象です。


全反射は簡単に実験できます。
透明な窓ガラスに目を近づけて、視線をガラスと平行にするつもりでガラス面を覗いてみてください。
ガラス面に景色が映っているはずです。
このように入射角が大きくすれば容易に全反射になるのです。
蜃気楼は遠くの景色が近くに見える現象なので、当然、入射角は大きくなります。

もうひとつの条件は屈折率が異なる媒質が必要なことです。
この条件が満たされることが少ないために蜃気楼の見える名所が生まれたりします。
砂漠の日中は太陽熱で砂が熱くなるために地面近くの空気分子の運動が活発になって分子の密度が低くなります。
その結果、地面近傍の空気の屈折率が小さくなって、遠くの景色からの光は大きな入射角で屈折率の小さい地面近傍の空気層に入社して全反射します。

これが砂漠での蜃気楼です。
熱い空気は上に昇りますが、地面が非常に高温のために地面近傍に流れ込んだ冷たい空気は直ぐに温められてしまいます。
そのために、地面近傍の空気は屈折率が低いままになっています。
砂漠の蜃気楼と同じ現象は、夏季のアスファルト道路でも起きることがあります。
アスファルトが砂漠と同じように強い陽射で高温になり、その近傍の空気を温め、その屈折率を小さくして遠くから入射した光を全反射します。

コンクリートや石造りの建造物も太陽で高温になるので、その近傍の空気の屈折率は低くなります。
ですから、垂直に建っている壁などでも全反射が起きて蜃気楼が見えることがあります。


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