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電気 ノイズ

パソコンとデジタルカメラやモデム、イメージスキャナー、或いは携帯電話などを繋ぐケーブルの端には、左の写真のように石のような物が付いていたり、ケーブルが石のような物に数回巻かれていたりするのを目にすると思います。
これは、ケーブルに侵入した不要な高周波電流(ノイズ)がデジタル機器に入らないようにしています。
この石のような物は、鉄とコバルト・ニッケル・マンガンなどで作られた強磁性体でフェライトと呼ばれています。
磁性体というのは簡単に言えば磁石になる物で、鉄もその一種です。
小学校の理科で、鉄釘にエナメル線を巻いて電磁石を作られたことがあると思います。
ただ、フェライトが鉄釘と異なるのは、フェライトにエナメル線を巻きつけた場合にはそのエナメル線に電波になるような周波数の高い交流を流してもついづいして磁性体として機能するということです。

ケーブルをフェライトの中に通したり、フェライトに巻きつけるだけでノイズを防げる仕組みを知るためには、 ノイズの種類について知らなければなりません


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ノイズにはノーマルノイズとコモンノイズがあります。
ノーマルノイズというのは、電気(電子)回路から発生するノイズで、ノイズの源になっている高周波電流がその回路内を回っているか、電気の供給線まで漏れているものです。
例えば、蛍光灯や扇風機の電源を入れたり切ったりしたときにラジオやテレビにノイズが入ることがあります。
これがノーマルノイズで、ノイズ源の高周波電流は回路内の電位の高い所から低い所に向かって流れています。
電位の低い所まで距離が長いと、その部分がアンテナとなり、電磁波となって空中に放射されてラジオなどを妨害します。

ですから、ノーマルノイズが他に与える影響を最小限にするには、ノイズ源となる高周波電流の発生箇所直近で高周波電流だけを電位の低い所に流してしまえばよいことになります。
交流を通す電子部品は、2枚の金属板で絶縁体(誘電体)をサンドイッチにしたコンデンサーなので、高周波電流発生箇所と電位の低い所をコンデンサーで繋ぎます。

電源からのノイズの侵入を防ぐためにノイズフィルターというものが市販されていますが、最も簡単なものは、コンセントから出ている二つの電極の間にコンデンサーCと抵抗Rを直列にしたものを入れただけです。
コンデンサーでノイズ源となる高周波電流だけを取り出して直列に接続した抵抗を通して熱に変換して消そうというものです。
もう少し複雑なフィルター回路になると、更に、ノイズフィルターを通して使う器具と直列接続になるように、太いエナメル線を上記したフェライトに巻きつけたコイルを挿入します。
コイルは電流を流すと磁気エネルギーとして蓄えますが、電流の向きが変化すると、その変化を妨げる方向で蓄えていた磁気エネルギーを電気エネルギーとして放出する性質があります。
ですから、電気の向きが変わる交流はコイルを通り難く、その通り難さは、交流の周波数に逆比例します。
例えば、ノイズ源となる高周波電流が100キロヘルツだとすると、電灯線の交流(50ヘルツ)の2000倍通り難いので、電灯線の電気は通してもノイズは通さないことになります。エナメル線をフェライトに巻きつけたコイルを使うのは、フェライトに巻きつけると巻き数を少なくしても必要なコイルとしての量(インダクタンス)が得られる他、ドーナツ状のフェライトを使用すると、電流によって作られた磁力線がフェライトの中に閉じ込められてノイズが周囲に放射されず、また外部からの影響も防げるからです。

ノーマルノイズというのはこのように比較的簡単に防げるものですが、問題なのはこれから述べるコモンノイズです。
コモンノイズは、大地と大地から絶縁された物体の間を巡っています。
ノーマルノイズ同様に電位の低い所、すなわちコンデンサーで大地に接続すれば、と思われるでしょうが、それが容易では無いのです。


長さ10mの銀の棒を地面に垂直に建てたとします。
地面の電位が0ボルトだとすると、天に向かっている棒の先端の電位は何ボルトでしょう?
答えは判りませんが、0ボルトで無いことは確かです。
もちろん、直流しか考えなければ0ボルトですが、自然界ではそんなことはありえません。
宇宙から電磁波が降り注ぎ、雲と雲との間、雲と大地の間の電位差で電磁波が発生し、また、放送や通信の電磁波や電機電子回路から発生する不要電波(ノイズ)もこの棒にも当たっているはずです。

話を単純にするために、周波数7.5Mhz振幅1mVの電波がこの棒に当たりかつ好条件が重なったとき、7.5Mhzの電波の波長は40mなので、波の谷と山は10mおきにあります。
ということは、この棒の大地に接している部分の電位が0ボルトでも10m先の先端は波の山の部分で1mVの電位があることになり、そればかりかこの場合は7.5Mhzの電波を放射するアンテナとして機能しています。

上記の説明は電気をよく通す銀の棒でしたが、鉄が骨材として入っている鉄筋や鉄骨の建物でも同じで、たとえ大地に深く埋め込まれていたとしても電位が0ボルトなのは大地の直近だけです。

このように私たちが電波として利用したり、 ノイズとして邪魔な周波数帯においては電位0ボルトの箇所を探すのは難しいばかりか、 金属製の建物骨材が不要電波のアンテナとして機能して不要な高周波電流が大地に帰るためにノイズとしてばら撒き、 電子機器の動作を邪魔しています。これが、コモンノイズと呼ばれるものです。

では、コモンノイズはどうやって防ぐか、です。
冒頭に書いた、デジタル機器間を繋げるケーブルの場合は、信号を伝える何本かの電線が束ねてあります。
ということは、束ねられたどの電線にも同じ周波数同振幅で同じ方向に流れる同位相のノイズが乗っていると考えてもよいはずです。
先の例、7.5Mhzのノイズでしたらその波長は40mもあるので、数ミリメートル内にある何本かの電線は一本と同じようなものです。
一方、私たちが必要としている信号は、一方の機器から他方の機器に流れ、アース線(機器中で電位が一番低い線)を伝わって戻ってきます。

要するのに、コモンノイズは電線が何本あっても一方から他方に流れる同一の振幅位相の高周波電流なのに対して、信号線は一方の機器に向かう高周波電流とそれが帰ってくる逆方向の高周波電流によっています。
この違いを利用して、コモンノイズを防ぎます。

コモンノイズと信号がのっているケーブルを巻いてコイルを作ります。
コイルは先に書いたように電流の向きの変化を妨げるように働きます。
同じ振幅で同位相の電流が2本の電線を同じ方向に交流が流れている場合に、1本の線を流れる交流が向きを変えようとしたときには他方の線を流れる交流も全く同じ方向に向きを変えようとしてますから、コイルによって電流の向きを妨げられる作用も全く同一で、コイルを通り難くなります。
ところが、信号は1本の線が機器に向かっているときには他方の線にはその機器から帰って来る方向に流れているので、一方の線を流れる交流が向きを変えようとしたとき、他方の線を流れる交流は逆方向に向きを変えようとしています。
ですから、コイルが一方の線を流れる電流の向きを妨げるように働いたとき、その力は他方の電線を流れる電流の向きを変えることを助けるように働き、結局、信号はコイルの作用に邪魔されずにコイルを通過できます。

コモンノイズを防ぐ簡単な方法は信号を送るケーブルを丸めてコイルを作ることで、必要なインダクタンス量を得るためにフェライトに巻きつけることがありますし、防ぎたいコモンノイズの周波数によってはドーナツ状をしたフェライトの中を通すだけで足りることもあります。

amazon.co.jp ⇒ ノイズフィルター

ノイズの問題で興味深いのは電話線です。
電話局と家にある電話までの間に光ケーブルが入っている場合がありますが、光ケーブルを使わないで電話局から数キロメートルも離れた電話まで繋がっていることは珍しくありません。
このときに使われている電話線は同軸ケーブルやマイクに繋がっているようなシールドされたものではなく(シールド線:一本ないし数本の電線を絶縁体で包み、その周りを銅網やアルミ箔で包んだもの)絶縁被覆されただけの二本の銅線です。
しかし、ノイズで聞き取り難いということはありません。
これは、二本の電話線が近接して配置され、かつ大地に対して同じ電位にあるために二本の線に乗ったコモンノイズと信号(音声の低周波)と容易に分離できるためです。

電話線のように2本の線が大地に対して同じ電位にある線を平衡線、一方の線が大地より電位が高いものを不平衡線と呼びます。
今は見かけませんが、テレビとアンテナを接続していた平べったいフィーダー線が平衡線で、同軸ケーブルやマイクに繋がっているシールド線は不平衡線です。


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