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飛んで火に入る夏の虫

「飛んで火に入る夏の虫」という諺があります。
夏、窓を開け放った室内、灯明皿に浸した灯芯、或いは蝋燭が点っています。
その炎の放つ光に誘われて迷い込んできた蛾が炎の周りを回り始め、やがて、蛾は炎の中に自ら飛び込んでしまいます。
この事から、自ら禍の中に飛び込む様を「飛んで火に入る夏の虫」と言います。
もちろん、夏の虫に限った話ではありませんし、光を目掛けて飛んでくる虫なら季節を問いません。

灯明皿や蝋燭を照明に使わなくなった現在でも、白熱電球や蛍光灯の周りを回っている蛾などを見ることがあります。
彼らは光を求めて本能のままに飛んできます。
これを「正の走行性」と呼んでいます。
彼らは正の走行性を持つことによって厳しい自然界を生き抜いて来られたのでしょう。
光の先には、月の光を反 射して光る花びらや木肌を濡らして光る甘い樹液があるのかも知れません。

不思議なのは、蛾などが炎や白熱電球といった光源の周囲を回ることです。
中には直ぐに光源に飛び込む虫も居ますが、なぜ、虫たちは光源の周りを回るのでしょうか。

蛾などの昆虫の眼は、解像度が非常に小さい眼が多数集まって出来ています。
小さな眼を個眼、それが集まって出来た眼を複眼と言います。
この複眼が頭部の左右についています。
暗闇の中で光を見つけると、左右の眼に等しい光量が入るように上下左右を調節して光源までたどり着くのは容易に想像できます。

問題は光源に近づいてからです。
ある本には、光源に近づくと光は中心から四方八方に伸びているように見えるので複眼を構成している個眼一つ一つに光を入れようとして回ると説明してありました。
しかし、この説明はおかしいです。
個眼一つ一つに光を入れる必要があるなら、光源から遠い所から上下左右に身体を動かしながら飛んでくる訳で、そうだとしても、光の方向を確かめる為だとも考えられます。
個眼は明暗を感じられる程度の解像力だそうですから、進行方向を向いている個眼に入っている光量が最も多いどうかを確かめるには眼が付いた頭を上下左右に振ってみるしかありません。
私たちの眼は解像度が非常に高いので光源の方向をたやすく見つけられますが、解像度が低い聴覚の場合には音が聞こえる方向を探るときに頭を左右に振ってみるのと同じように思えます。

それに光源に近づけば光が強くなるので少々向きが異なっている個眼にも光が多量に入ってきているはずです。
煌々と光を放っている白熱電球を目の前に置かれたら眩しくて白熱電球の正確な位置も判らなくなります。
こんなとき、私たちなら顔を背けて白熱電球からの直接光が眼に入らないようにします。
蛾も下図の2のように身体の向きを変えて眩しくないようにすると思います。

しかし、蛾は正の走行性を持っているので光に引き付けられて眼に光を入れようとして再び光源方向に向きを変え、眩しくて自分の位置が判らなくなると光源から逸らすように身体の向きを変えます。
結局のところ、上図の様に光源の周りを回ることになるのでしょう。
そして、眩しさと走行性の釣り合いから眼の向きは光源に対して一定になり、そのため、蛾のとんだ軌跡は対数螺旋になります。

以上は私の仮説なので真実はわかりません、 虫の多い季節、夏休みの自由研究を兼ねて考えてみるのも楽しいでしょう








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