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日本人が塩好きな理由

身近な自然と科学 Vol.56の前文から

料亭や寄席などの客商売では、縁起を担いで盛り塩(店の前に塩の小さな山を作る)をすることがあります。
これは、お公家さんが牛車に乗って街を闊歩していた時代、愛する男の来訪を待ちわびる女が、男の乗る牛車を自分の家の前に停めるために家の前に塩を置いたのが始まりだと云われます。

牛は置かれた塩をなめるために歩みを止めてしまうので、仕方なくか、女の情愛の深さに打たれてか、男は女を訪ねるという訳です。
現代の客商売では、愛する男の代わりに通行人が店に入ることを願って縁起を担いでいます。

牛は塩好きで、農作業で牛の労力を必要としていた頃は塩をなめさせていました。

ところで、野生動物が“塩(ナトリウム)”を摂取するには、食物に含まれているナトリウムを摂るのが一般的です。
肉食動物が獲物の血液や内臓を真っ先に食べるのは、血液や内臓にはナトリウムを始め多くの栄養素が多量に含まれているからです。
しかし、草食動物の場合、草には一般的にナトリウムが少ないので、岩塩や塩気のある土を舐めたり、海が近ければ海水を舐めたり、海草を食べたりします。

塩気のある土というのは、少量の雨の断続で土壌から離れたナトリウムが溜まった場所の表層部分です。
岩塩が殆ど無い我が国の山間部の動物には塩気のある土は重要でしょう。
ですから、牛が塩を舐めても不思議はない訳です。

日本人が西洋人より塩を多く摂取しがちなのは、日本人が農耕民族だからという説があります。
元々、日本人というか日本の国土に住んでいた人々も、西洋人同様狩猟で生活していましたが、弥生時代かそれより少し以前から稲作で生活するようになり、天武天皇(在位673-686都は明日香)が獣肉を食べることを禁止して以来、公には草食民族になりました。

昔の日本人が主に食べていた食物100グラム中には

と、ナトリウムの絶対量も少ないですが、カリウムと差があり過ぎます。
動物の細胞は植物のように硬い細胞壁がありませんから、細胞の内外に働く浸透圧を調節して細胞の形を保っています。
浸透圧の調節にはナトリウムとカリウムが必要なので、二つの物質の量が極端に違いすぎると浸透圧の調節がうまくいきません。
この為に、日本人はナトリウム(塩)を積極的に求めているというのです。

サツマイモを海水で洗って食べる猿も居るので、植物性食品に塩を組み合わせるのは単なる嗜好というより、本能的な生きる知恵だったのでしょう。




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