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酸素を運ぶヘモグロビン

身近な自然と科学 Vol.169 から

人間の血液が赤いのは赤血球に含まれている鉄によります。
この鉄が肺で酸素と結びついて身体中に酸素を運びますが、唯の鉄では無く「ヘム」と言うものです。

ヘムは芳香族と呼ばれる有機化合物が結びついたポルフィリンという有機化合物が鉄原子の周りに結合して2価の錯体をつくったものです。
芳香族というのは、ベンゼン環(炭素原子6個が平面状で環状になった構造)を持つ有機化合物で、良い匂いがするものが多いので芳香族と呼んでいます。
錯体は金属原子またはイオンを中心にして原子またはイオンの集団が結合したものです。
2価というのは、他のものと結びつくための手が2つあるということです。

赤血球に含まれるヘムは、分子量約6万4500の高分子であるヘモグロビンの中に組み込まれています。
ヘモグロビンは鎖状の4本で構成され、一つの鎖にヘム1分子がついているので、ヘモグロビン全体ではヘムが4分子あります。
このヘム1分子が酸素1分子と結合して酸素を運びます。

肺中の酸素濃度が高いところにあるヘモグロビンはヘム分子が酸素分子と結合しますが、一つのヘム分子が酸素と結合すると、ヘモグロビンの立体構造が変化して、他のヘム分子がより容易に酸素分子と結合できるようになります。

次は、酸素が必要な所にヘモグロビンが着くと、酸素を放さなければなりませんが、これがよく出来ています。
或る部分で酸素を消費すると、そこの血液中の二酸化炭素が増えます。
二酸化炭素は水に溶けると炭酸になり、炭酸は水素イオンと炭酸イオンに分かれるので、水素イオンが増えます。
水素イオンはヘムの蛋白質と結合してヘムと酸素分子の結合を阻害するので、ヘムは酸素分子を放します。
血液中の水素イオンが増えることは血液が酸性になることですから、言い換えれば、血液が酸性になると酸素が放されることになります。
ヘムの蛋白質には二酸化炭素も結合してヘムと酸素分子の結合を阻害します。
血液中の二酸化炭素が増えると、ヘムが酸素を放す方に動くことを「ボーア効果」と言います。
クリスティアン・ボーアという学者が発見したので、この名が付けられています。
また、酸素が消費されると熱を生成しますからその部分の温度が上がります。
温度上昇も酸素分子を放す方に働きます。

呼吸によって生成された二酸化炭素の8割ぐらいは、ヘモグロビンのような運ぶものを持たず、血液に溶けた状態で肺まで運ばれます。
残りの2割ほどは二酸化炭素のままヘモグロビンと結合してカルバミノ・ヘモグロビンという形で肺に運ばれます。
カルバミノは、二酸化炭素が蛋白質やアミノ酸と結合したものの総称です。

二酸化炭素はヘモグロビンから酸素を放す働きをしているので、血液中の二酸化炭素が不足するとヘモグロビンが酸素を放せず組織が酸素不足に陥ります。
これが「過呼吸」です。
このとき、血液はアルカリ性に傾いています。
この状態をアルカローシス血症と言います。


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