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人の眼の構造と巧妙な仕組み

人の眼の光学的構造について触れたいと思います。
光の入る方向から
角膜 → 前房 → 虹彩 → 水晶体 → 硝子体 → 網膜
となっています。

角膜と前房は半球状の形で、この成分の屈折率は水とほぼ同じで、1.333ぐらいです。
屈折率とは、真空中の光の速度と媒質中 (例えば水晶体内)の光の速度の比で、 媒質中では周波数(可視光では色の違いとして人は識別できます)によって速度が変わるものです

虹彩は入ってくる光の量を調節します。カメラで言えば「絞り」です。
と言っても、最近のカメラは絞りを知らなくても芸術的な写真が撮れるので、 知らない方も居らっしゃるかも知れませんね。

水晶体は凸レンズ状で、成分の屈折率は1.4ぐらいです。
角膜・前房・水晶体を合わせて、焦点距離約17mmの凸レンズになっています。
眼についての説明の多くは、水晶体がレンズの役割を担っているとされていると思いますが、 レンズとしての役割は角膜の方が大きいのです。
外科的手術よって角膜の曲率を変えて近視を治すことが出来るのはこの理由です(レーシック)。

硝子体は水より粘り気がある物質ですが、屈折率は水とほぼ同じ1.336ぐらいです。
硝子体は“しょうしたい”と読みます。“がらすたい”ではありません。
広辞苑で“がらすたい” で引くと“しょうしたい”へ行けです。

網膜には光を感じる視細胞がハチの巣状に敷き詰められています。
視細胞の網膜面部分の形は六角形です。
視細胞の大きさは水晶体が作る像の中央部に当たる“黄斑部”が最も小さく 約1.6マイクロメートルで、他の部分は約4マイクロメートルです。
視細胞が小さいほど細かい部分まで見ることが出来ます。
前にも触れましたが、視細胞1個は光の強弱しか信号に変えられないのですから 同じ面積なら視細胞がたくさんある方が画像としての情報量は多くなり、鮮明な画像になります。
画素数の多いデジタルカメラは撮影対象物の細部まで撮ることが出来るのと同じです。

黄斑部の直径約3ミリメートルです。
この部分だけがはっきり見えるのですから、単純に面積比でデジタルカメラの画素数に当てはめれば
π(3E-3/2)(3E-3/2)/(π(1.6E-6/2)(1.6E-6/2))
=3515625
ということで、約350万画素でしょうか。

望遠鏡などの光学機器では、遠くにある近接した2点を 1つの点ではなく2点に見分けられる能力を分解能と言いますが、眼の場合は視力と言います。
視力1.0は1分(60分の1度)の角度が見分けれる分解能です。
ここで、眼の分解能の理論限界値を計算してみましょう。
くどいので興味の無い方は飛ばしてください。

視細胞ABCDE・・・・
と並んでいる網膜上で白い背景上無限遠にある2つの黒点を 2点として見分けるためには
視細胞Aには背景色の白信号
視細胞Bには黒点の黒信号
視細胞Cには背景色の白信号
視細胞Dには黒点の黒信号
視細胞Eには背景色の白信号
とならければなりません。
すなわち、黒点の信号を受ける視細胞Bと視細胞Dは最低視細胞2個分だけ、 (視細胞Bの中心からDの中心まで) 1.6×2マイクロメートル離れていなければなりません。
ここで、眼のレンズの光学上の中心と 網膜上の黒点像2点が2等辺三角形を作るとして考えます。
眼の焦点距離が17ミリメートルなのでメートルに直すと0.017メートル
角度をXとすると、
tan(X)=1.6E-6/0.017
これからXを求めると
Xは約19秒、
計算に使った値は元々個人差があるものなので切りが良い20秒とします。

角度20秒は5メートル先では0.49ミリメートルです。
これが見分けられると視力は2.5ぐらいでしょう。
視力1.0は5メートル先では1.5ミリメートルです。
計算を間違えてないでしょうか?と思ってしまいます。
私は中学生の頃まで両眼とも1.5あったのです。
5メートル先の1.5ミリ幅が楽に見えたんですね。
今では信じられません!
視力の良い人が羨ましいです。


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さて、視細胞は光を受けてどのようにして信号を発信するか?
この説明には、光は電磁波としてではなく“光粒子”とします。
先ず、光粒子は“レチノール”という色素に吸収されます。
レチノールは炭素を含む小分子で、通常は折れ曲がった形をしていますが、 光粒子1個を吸収するだけで急激に直線状に変化します。

レチノールは“オプシン”というタンパクに囲まれているため、 レチノールの形が急激に変化するとオプシンが機械的に刺激され、 その刺激でオプシンは電気信号を発信します。
眼にはビタミンAが良いと言われるのは、レチノールの原料がビタミンAだからです。
ビタミンAが不足してレチノールが作られないと、光が入ってきても見えない“夜盲症”になります。

夜盲症からの連想で、犬猫など獣の眼が暗いところで光って見えるのは、 視細胞と視細胞の間に当たった無効な光が網膜の内側で反射されるからです。
反射された光を視細胞に入れて有効利用しているのです。
ただし、視細胞と視細胞の間に入った光は、その位置に対応する像の光ですから わずかでもずれた位置にある視細胞に入れれば、当然、脳で出来上がった像はボケてしまいます。
野生で生き抜くためには、はっきりした像より、 暗い所では少しでもよく見えることが重要なのでしょう。




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