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石鹸と石鹸の作り方

石鹸が汚れを落とす仕組み(原理)を考えてみましょう。
油で汚れた手は水では落ちません。落ちないのは油と水の性質が違いすることに原因があります。「水と油のようだ」と言うほど性質が違います。
汚れた手は、手を汚している物と同じか似た性質の物で洗うと落ちます。
油性ペンキ(油性塗料)で汚れた手はペンキを薄める油や灯油などで洗い、水性ペンキで汚れた手は油では無く水で
洗うのを、ペンキ塗りをしたことのある方なら経験があると思います。

衣類の洗濯に使う石鹸も、油(脂)と似た性質を持っています。
しかし、油(脂)の性質だけでは、汚れは落ちても石鹸の油が衣類に付いて困ります。
そこで、石鹸には水の性質と似た性質を持たせてあり、衣類に付いた油汚れを衣類から引き離したら、今度は水の中に入り込んで水と一緒に流れてしまうようになっています。

運動嫌いで机にしがみついて本ばかり読んでいる文学少年を、運動クラブに入れようと画策することに例えてみましょう。
運動クラブのメンバーが運動嫌いな少年のところに行って勧誘しても入部を断れるのは目に見えていますが、 先ず、運動クラブの中でも文学好きで通っているメンバーが少年のところに行って文学の話をして仲良くなり、仲良くなったところで運動クラブに誘ってみたらどうでしょう。
体験入部ぐらいはしてくれるかも知れません。
石鹸や洗剤と言われる物もこれと同じで、先ず、汚れと仲良くなり、汚れを衣類などから引き離し、次に水の中に誘い込むのです。

上記の例え話で出てきた、文学と運動の両方が好きなメンバーは、石鹸や洗剤では「界面活性剤」と言われています。
石鹸や洗剤に使われる界面活性剤は、油になじむ部分=炭素原子が12から18ぐらい連なった部分(アルキル基)=と、水に親和して陰イオンになる部分から作られています。
陰イオンにならないで、陽イオンになる界面活性剤は「逆性石鹸」と呼ばれます。
洗剤を使うときに注目するのが泡です。
洗剤を泡立てて作った泡は薄い水の層を挟んで、界面活性剤の水と仲の良い
部分が向き合っています。
ですから、泡の外側と内側は界面活性剤の脂と仲の良い部分になっています。

顔や身体を洗うときのように肌の皮脂をよく取りたいときは、泡立てて脂と仲の良い部分が集まっている泡の表面を肌にふれさせると効果的です。

衣類用の洗剤では、界面活性剤の他に、一度衣類から離れた汚れが再度衣類に付着するのを防ぐ「再汚染防止剤」や洗浄の補助剤として、脂肪やタンパク質を分解するアルカリ性の物質が含まれています。

石鹸や洗剤が汚れを落とす仕組みが解ったところで、石鹸を作る簡単な方法を紹介しましょう。

『手づくり石けん』赤松純子著 民衆社から
用意する道具など
18リットルぐらい入る空き缶(鍋代わりに使う)
長さ50cmぐらいの木の棒(混ぜるために使うので、太くて、熱に強く且つ熱くならない物)
ガスコンロなど(屋外で使える物)
その他、手袋や作業着など。
用意する原材料(石鹸約7キロ分)
食用油1.35リットル ご飯(残りご飯)茶碗一杯 水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)225グラム 熱湯 6リットル
作り方(戸外ですること)

容量18リットルぐらいの空き缶に、食用油、ご飯、水酸化ナトリウムを入れて強火で加熱し、丁寧にかき混ぜます。
5〜10分ぐらい加熱し続けて油が温まってきたら、熱湯を半カップぐらい入れてかき混ぜ続けます。

このとき、反応してガスが出るので吸い込まないようにしてください。
反応が収まったらまた半カップの熱湯を入れてかき混ぜます。
1時間ぐらい掛けて熱湯を入れ終わったら完成です。
加熱温度が高いと黒っぽくなりますが洗浄力には関係ありません。
その後、冷ましますが、あまり冷えない内に容器に小分けし、3週間ぐらい反応が続くので蓋をして保管しておきます。

上記の方法で作った石鹸はアルカリ性が強いので身体を洗うのには使えませんし、アルカリ性に弱い物を洗うのにも向きません。良質な石鹸では無いのです。
一頃、天ぷらを揚げた残りの廃油での石鹸作りが注目を浴びた事がありましたが、廃油を下水に流さないようにするぐらいのことで、廃油から石鹸を作ってもそれ以上のメリットはありません。

さて、上記のような石鹸の作り方を「鹸化法」と呼びます。
油(脂)に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加えて加熱すると、鹸化反応が起こり、石鹸が生成されます。この生成された石鹸が乳化剤となって鹸化反応を速めます。
鹸化反応では、石鹸とグリセリン、水が作られます。
市販品の石鹸は、鹸化反応が終わったところに濃い塩水を加えて石鹸とグリセリンと水を分離します。
石鹸は塩水には溶け難いので、塩水を加えて置くと、上層に石鹸、下層にグリセリンと水が分離します。この方法を塩析と呼びます。
塩析は何度も繰り返して行われ、ニートソープと呼ばれる物が作られます。
浴用石鹸では水分30%程度のニートソープになるまで塩析が繰り返されます。

ところで、合成洗剤と呼ばれる物がありますが、石鹸で作られた物以外の洗剤を合成洗剤と呼んでいます。
要するに、油脂から化学反応を利用して高級アルコールなどを作り、これらから界面活性剤を作ったものを合成洗剤と呼んでいます。
ですから、合成洗剤とそれ以外の洗剤(石鹸)とは作り方が異なるだけなので、「合成」という語句だけで人畜への有害性の有無が決まる訳ではありません。

最後に、水に親和して陽イオンになる界面活性剤を含む逆性石鹸についてです。
石鹸と呼ばれていますが、汚れを落とす能力はありません。
逆性石鹸の使い道は殺菌です。
細菌などの表面は陰性イオンを帯びているので陽イオンを帯びている逆性石鹸が細胞膜に付いて、細胞膜を破って細菌を殺します。


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