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地震基礎知識

「身近な自然と科学2003/05/2」から

昨日、東北地方で地震がありました。
私は関東地方に住んでいるのですが、今回の地震は長く感じました。
「地震かな?」から「まさか東京じゃ、ラジオを・・・」と思考が巡るまで十分時間がありました。

地震かな? と感じ始める波は小刻みに物を揺らします。
障子やガラス戸などがガタガタと音を立てます。
この波は『P波(primary wave)』と言って“縦波”です。
縦波というのは地震の進行方向に振動する波です。
たとえば震源が北の場合は、P波は南北方向に振動しながら南に伝わります。

それからしばらくすると、自分の身体が揺らされている感じを受けます。
S波(secondary wave)』の到着です。
この波は進行方向に直角に振動する“横波”です。
震源が北の場合は東西方向に震源が真下にあれば水平方向に振動して伝わります。

またしばらくして、建物全体がゆさゆさと大きく揺れだします。
大きな地震だと怖く感じます。
この大きな揺れをもたらすものを『表面波』と言います。
P波とS波が伝わるときに反射屈折を起こすために特別な波を生じますが、地表に出る時にそのエネルギーを解放するために大きな揺れになります。
成因がP波とS波の伝播上の反射屈折ですから
震源から近い所では伝播距離が短いために大きな表面波は起きません。

次に地震報道につきものの震源地の求め方です。
地殻内を伝播するP波の速度は、毎秒5−7km。
S波の速度は、毎秒3−4kmです。
P波とS波の速度の差は毎秒数kmです。
ですから、P波が到達した時刻からS波が到達するまでの時間は、(この時間は、PS時間あるいは初期微動継続時間と言います)
震源から遠い観測点ほど長くなる訳です。
脚の速い者と遅い者が同時に歩き出したことを考えてください。
ゴールが遠ければ遠いほど両者の差が広がるのと同じです。
震源までの距離は、PS時間×(7〜8km)となります。

これで観測点から三次元座標での震源地の距離は判りましたが次は方角です。方角を求めるには観測点が3つ必要です。
観測点A、B、Cからの震源までの距離を前述の方法で震源までの距離を求め、それぞれの値をa、b、ckmとすれば、観測点A、B、Cそれぞれから半径a、b、ckmの球を描き、3個の球が交わった所が震源になります。
円で無く球を描くのは震源が地下深くにあるため3次元座標で考える必要があるからです。

次は、『マグニチュード(M)』ですが、これは1935年地質学者のC.F.リヒターが地震に導入した量で、震央(震源域の中央)から100km地点での揺れ幅を表します。
具体的には、震央から100km地点に設置された周期0.8秒、減衰定数1、倍率2800の“ウッド・アンダーソン型地震計”の記録の最大振幅をマイクロメーター(100万分の1メートル)単位で計り、その対数をとったものです。

ここで地震計について説明しておきます。
地震計の基本は空中にぶら下げた重りです。
地震の時に天井からぶら下げてある照明器具が揺れますが、揺れ始めは照明器具が揺れるのではなく周りが揺れているのです。
吊り下げている紐や鎖、コード類が無ければ空中に浮かんでいる照明器具が揺れるはずはありません。
外部から力を加え無い限り静止している物は静止しているのが自然界です。

とは言うものの、空中に浮かべるのは不可能なので影響を受け難い重い物をぶら下げ、この重い物と地上の相対的な位置関係を記録するのが地震計です。
難題はまだあって、ぶら下げてあるので振り子になっています。
昔あった振り子時計で解るように振り子には、それぞれに決まった周期(元の位置に戻るまでの
時間)があります。
これが地震計の周期です。
また、振り子ですから外部から力が加わらなくなれば、振り子の振れ幅は小さくなり、やがて静止
します。
この止まりやすさを定量化したのが、減衰定数です。

マグニチュード(M)に話を戻します。
震央から100km地点に、ウッド・アンダーソン型地震計が設置されていることは皆無でしょうから、実際には地震計の種類、震央から距離によって実験的に求めた式で換算して求めます。

また、地震波には小刻みの波から周期数十秒以上の長い波まであるので、どの波の振幅を採用するかによってもマグニチュードの値は変わります。
国際的には周期1秒の実体波マグニチュード
周期20秒の表面波マグニチュードがありますが、気象庁では周期5−10秒のマグニチュードを使っています。

さて、地震のエネルギーの話に移ります。
地震が地殻の歪みとして蓄えられたエネルギーが解放される時の現象なら地震予知上重要なのは、地震波の大きさを表すマグニチュードでは無くどれほどのエネルギーが解放されたかを知ることです。

エネルギーEとマグニチュードMには
 log E=a+bM
 a ,bは定数
 Eをエルグ(10のマイナス7乗ジュール)で求める時には
 a=11.8 b=1.5

ここでちょっと簡単な計算をしてみます。
マグニチュードMが4の時のエネルギーEは、6.3の10の11乗ジュール
マグニチュードMが5の時のエネルギーEは、1.99の10の13乗ジュール
これでお解りのように、 マグニチュードが1大きくなるとエネルギーは約32倍大きくなります。

昨夕起きた地震はM7クラスなのでマグニチュードMが7の時のエネルギーEは、1.99の10の15乗ジュールとなります。

M4クラスはかなり頻繁に起きているので、M4の地震が何回起きればM7の地震1回分のエネルギーを解放できるのか計算してみると3158回です。
殆ど毎日10年間地震に遭遇しないとです。

震度』は地震の大きさを体感で表したものです。
私たちが揺れを感じるのは、加速度を感じています。
新幹線に乗っていて動きを感じるのは大雑把に言えば、走り出す時と停車する時だけです。
これは加速度、すなわち速度の変化を感じているからです。
震度の場合は体感なので主に加速度の大きさに左右されます。
ですから、観測者の居る地盤や建物の状況によって震度の大きさが変わってしまいます。


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