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花木果樹を接木をする理由と実生の果樹に早く実を付けさせる方法

果樹や花木の苗木を購入したことのある方はご存知だと思いますが、 市販されている多くの種類の苗木の地上部から上5cmぐらいのところ膨らんでいます。
下写真は早稲温州みかんの 接木部分
早稲温州みかんの接木部分の写真 また、この部分にテープが巻かれていることもあります。
この部分で、根を張っている木(台木)と花を咲かせ実を成らす木(穂木)とを接いでいます。
台木を切断し、そこに同種か近縁種の接穂を接ぐのが一般的で、接木と言われるものです。

接木は、台木の切断面に出ている形成層と、接穂の切断面に出ている形成層を合わせ、 接合部を固定すると共に接合部が乾かないようにビニールテープなどを巻きます。
形成層は幹や枝を成長させるための分裂組織で、一般的に形成層の外側に篩部(栄養の経路)、内側に木部(水の上昇経路)があるので、 篩部と木部も繋がります。

接木をする主な目的は

  1. 挿し木で殖やせない種類の木で、良質の同じ花を咲かせ、良質の同じ実を成らす木を殖やすため。
    柿や桜など、多くの果樹や花木で行われています。
    柿や桃、蜜柑などの種を蒔いておけば実が成りますが、果実の大きさや味は多くの場合で劣ります。 また、商業果樹では、実を収穫している木の枝先に近縁種の果樹の穂木を接いで、 収穫減を少なくしながら品種変更を行うことがあります
  2. 1年でも早く花を咲かせ、実を成らすため
    「桃栗3年柿8年柚子の大馬鹿18年」と言われているように、桃や栗は蒔いて置けば3年ぐらいで実を付けますが、 種から育てた柿が実を成らすまでは実を期待して蒔いたのを忘れるほどの年月が必要で、 柑橘類では誰が蒔いた種から芽生えたのかも忘れるぐらいの年月が必要ですから、早く実を成らす必要な果樹に多い理由です
  3. 土中に棲む線虫やウイルスに弱い木を育てる必要があるため
    台木には花や実が劣っても線虫やウイルスに強い近縁種を選びます。 西欧原産のブドウなどでは広く行われています。
    野菜の茄子などでもこの目的行われています


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ところで、なぜ花木果樹を接木をすると早く花が咲き、実がなるのでしょうか?

種から芽生えた実生や挿し木の場合は、当然ですが、枝葉の地上部と根の部分でバランスを取りながら成長していきます。
そして、その木に定められた大きさまでに成長すると、 地上部の光合成で作られた炭水化物が余剰になるので、この余剰分が実になります。
柿の様に大きくなる樹木でも鉢植えにした場合は根の成長が妨げられるので枝葉の成長も抑えられますが、 居心地の悪い所だから実を付けて子孫に命を繋げなければと思うのか、 成長に費やされる炭水化物が余剰になるので路地植えよりはるかに早く実がなるようになります。

このように、実を付けるためには地上部で合成される炭水化物が地下部で消費されても余る必要があります。
接木すると、栄養の通路である形成層の外側に篩部が繋がると書きましたが、実際には完全には繋がらずに 地上部の炭水化物量が多くなります(台木と穂木の接合面で炭素の移動が妨げれます)
根に回らない炭水化物で枝葉を作ろうとしても 根がそれに見合った大きさにならないので、 炭水化物が接木しない場合より早く余剰になって早く実を付けるようになるのです。
接木した台木と穂木が完全に一体化しないという現象は、 台木から出る芽を摘み取らないと穂木の成長が鈍ったり穂木が枯れることがあるという事実で解ります。

家庭園芸では接木が必要な場合はほとんど無いと思いますが、 庭に捨てた果実の種が芽を出し、どんな実が成るか早く知りたいということはあると思います。
芽が出た木が1本でしたら、春暖かくなってからその木を根元近くで切断し、それぞれ台木と穂木として通常の接木をします。
木の皮の内側にある形成層(環状になっている部分)を切れるナイフで削り出し、乾かない内に形成層を合わせてビニールテープで固定します。
実生の木が2本以上ある場合は、2本が接近するように植え替え、その木同士の幹を合わせ、接触する部分の皮を削って形成層出し、 その部分を合わせてビニールテープで固定しておきます。
秋になる頃には2本の木の形成層が付くので、一方は接触部分から下を切断し、他方は接触部分から上を切断します。
実生の枇杷の木2本の幹を合わせて接木にした写真
写真は実生の枇杷の木2本の幹を春に合わせて固定し、秋に一方の上部と他方の下部を切断したもの
この方法では見た目は悪いですが、接木に失敗することはほとんどありません。
もちろん、片方が鉢植え、双方が鉢植えの場合でも鉢を近づければ可能ですし、 鉢の水切れに注意すれば実生から育った台木を鉢植えにして路地植えなどの枝を接木の穂木にするこも出来ます。




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