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活性酸素

身近な自然と科学【老化】Vol.164 2009/05/21から

次に活性酸素によって細胞が傷害を受けることについて考えてみます。
酸素は組む相手を持っていない電子(不対電子)を二つ持っています。
相手のいない電子は不安定で誰かまわずくっ付きたくなっていますが、近くに同類の仲間が居ると慰め合うのか(笑)。
不安定ながらも周囲に暴力を振るうことはありません。
適度に不安定というのが酸素を利用する生物にとっては重要です。

ところが、一方に相手が出来ると(電子をもらって不対電子が1個になる)、残された不対電子が、 何で俺だけ相手が居ないんだ!
と周囲に暴力を振るうようになります。
これが、不対電子を1個持った酸素分子「スーパーオキサイド」と呼ばれる活性酸素です。
スーパーオキサイドより激しい暴れん坊が、酸素原子1個と水素原子1が結びついて不対電子を1個持った「ヒドロキシラジカル」で、スーパーオキサイドと ヒドロキシラジカルを結ぶのが消毒薬として知られている過酸化水素です。
スーパーオキサイドが過酸化水素に変わって比較的長期間体内に存在し、過酸化水素が紫外線などを受けて激しい反応性を持つヒドロキシラジカルを生成します。

過酸化水素は酸素原子2個と水素原子2個が結びついたもので、他のものを酸化させる力が強いので活性酸素の仲間に入れることがあります。
ただし、不対電子を持っていないので、正確には活性酸素ではありません。

活性酸素は身体のあらゆるものに危害を与えます。
タンパク質のもとになっているアミノ酸を酸化させてカルボニル化合物に変質させてしまいます。
老化が進むと臓器内のカルボニル化合物の量が増えるのでアミノ酸の酸化が老化を促進させていると考えられています。
また、活性酸素は細胞膜の成分である脂質を酸化させて過酸化脂質に変えます。
過酸化脂質も酸化させる力を持っていて細胞膜を破壊します。

活性酸素が最も危険なのは、遺伝を司るDNAを酸化させてしまうことです。
DNAは糖の一種であるデオキシリボースとリン酸、塩基 から構成される核酸で、塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の四種類あります。
この4種類の塩基の配列で遺伝情報を伝えていますから、塩基が酸化されて変質すると大変なことになります。
尤も、DNAは2重螺旋構造になっているので、一方の螺旋に含まれる塩基が活性酸素によって傷害を受けても正常に複製される確率が高い訳ですが。

先述した、細胞分裂の回数を計っているテロメア(DNAの末端部分の塩基配列)が破壊され、かつ、正常に修復出来なかった場合には細胞分裂が止まらないで癌化することが考えられます。

危険な活性酸素を減らせば細胞の老化が遅くなったり、癌化のリスクが減ると考えられますが、活性酸素は私たちが生きて行くのに不可欠な呼吸によって生まれてしまいす。
呼吸によって酸素分子は4個の電子をもらって水になりますが、何処にでも完全は無いもので電子を一個しかもらえない酸素分子が生まれてしまいます。
これがスーパーオキサイドです。
スーパーオキサイドがもう一個電子をもらうと過酸化水素になります。
過酸化水素は先述したように紫外線など受けて最も激しい作用を持つヒドロキシラジカルに変わります。

呼吸の他、活性酸素は強い殺菌力があるので細菌を食べる白血球内でも作られています。

私たちは酸素が無いと生きて行けないのですが、実は、酸素は危険物で、原始生命体は酸素嫌いでした。
しかし、私たちの遠い先祖は危険な酸素を利用する術を獲得しました。

  1. スーパーオキサイドを分解して過酸化水素と酸素に変える酵素・スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)
  2. 過酸化水素を水と酸素に分解する酵素・カタラーゼ
  3. 過酸化水素をダルタチオンをという物質を使って水と酸化型ダルタチオンに変える酵素・グルタチオンペルオキシターゼ 

酵素の他には、抗酸化作用のあるビタミンEやビタミンCを利用して活性酸素の害から守っています。

活性酸素を増やすのは呼吸ですから、運動、特に激しい運動は活性酸素の面からは悪いと思うのですが、継続的に運動をしていると、スーパーオキサイドを分解する酵素スーパーオキサイドディスムターゼが増えるという研究結果があります。
活性酸素を分解する酵素は増えても人体を構成している部品が運動によって消耗しても老化が進むのでしょうから、さて・・・


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